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音質を言葉で示す難しさ [オーディオ]

初めてちゃんとオーディオ機器を揃えてみようと思い立ったときの話。
まずはスピーカーをなんとかしようとあれこれ雑誌で調べたがよくわからず、「とにかくいろんなメーカーのを聴いてみよう」と秋葉原の某オーディオショップに出かけた。
ほんの5,6年前のことだ。

店員さんに「初心者なのでとにかくいろいろ試してみたいんですが」と言ったところ、「どのようなものが好みですか」と逆に聞かれてしまった。
音の好みをきちんと言葉にしたことがなかったと気づいて焦りつつ、それまで漠然と考えていた好みの音のイメージをたどたどしく説明した。

「とにかくスピードが早いというか、立ち上がり・立ち下がりが早くて反応がいいの」
「低音は量より質。もわもわしないのがいい」
「低音とか高音とかがあまり強調されてなく、ニュートラルな感じで」
「憧れはJBLだけどいい奴は高いから、他のメーカーでもそういうのがあれば」

すると店員さんは「ならフォステックスなんてどうでしょう。国産ですがかなり元気な音というか、切れ味鋭いですよ」と言って、最初にG1300を聴かせてくれた。
申し訳ないことに当時はFOSTEXのことをまるで知らなかった私だが、持参した「ジェントル・ソウツ」の冒頭数秒を聴いただけでノックアウトされた。これは只者ではないと。

その後、いくつもの有名メーカーのスピーカーや他の音源でも試聴させてもらったが、ジェントル・ソウツを同じくらい気持ち良く聴けたのはその店の1階ではJBLの数機種を除いて他になかった。
(ご存知のように秋葉原の有名オーディオショップは上の階に行くほど超高級機があったりするのだが、もちろん初心者の私には敷居が高くて行けなかった)

結局、その後何週間か考えたのち、我が家にはG1302が来ることになったのだった。

当時は「トランジェント特性」なんて単語も知らず、ジャズ・フュージョンを聴いていて重要だなと感じていたポイントを一所懸命店員さんに話しただけなのだが、店員さんはうまく理解してくれたようだ。
今なら「トランジェントの良い、フラットな傾向のスピーカー」という括りで好みの傾向は言い表せてしまうのだけど、それ以上の感覚的な部分、響きの特徴や音場の好みなどを言葉で表すのは今でもなかなかうまくできない。
その辺の好みになると、今後徐々に変わっていくかもしれないし。

絵とかと同じで、音質の好みを言葉にするのは難しいものです。
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