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Mojo2+PolyでAK120がようやく引退できた話 [オーディオ]

Mojo2とPolyが到着して3ヶ月強が過ぎた。
私にとっては初めてのChord製品。

ポタアンとしてではなく、DAPとして運用するつもりでPolyと一緒に無試聴でお迎えしたのだが、結果としては期待通りかそれ以上。
Twitterに書いた感想や音質レビューなどをこちらでまとめておこうと思う。

2022-04-24 10.21.04.JPG

◆操作性
正直いってDAPとして見るととっつきにくいと思う。
(初代のMojo+Polyのときは、お店で借りて試聴しようと思ったら結局再生まで辿り着けなかった)
今はスマホとの接続支援アプリ(Gofigure)もあるのでだいぶ楽になったらしいが、それでもPolyの振る舞いが理解できるまでなかなかうまく再生できず苦労した。
音楽再生アプリ(MPD:Music Player Daemon)が認識して一度再生できるようになると、次回からは割とスムーズに使えるようになる。

ちなみにMPDは多くは試していないが、Rigelianが割と気に入ったので今はそれを使っている。

ディスプレイのない、光る4つのボタンだけの操作体系は、意外とわかりやすい規則性がありすぐに覚えることができた。(本当に素っ気ないUIだと思うが)
電源ONのときにボタンが次々と光るが、これはメニューボタンを押していったときの各機能の設定状態をおさらいしてくれていることもわかった。

ネットの反応では、Polyとの互換性のために残されたmicroUSBコネクタへのネガティブな意見が目立ったが、別に音質に影響あるわけでないし(多分)、コネクタの天地があるのがちょっと不便なだけでさほど問題には感じない。AK120の古いケーブルも使えるし(笑)。

操作性は慣れで気にならなくなるものも多く(ユーザーの慣れに期待するのもどうかとも思うが)、あまり困る場面はないが、ハードウェアの再生/停止ボタンだけはあったらよかった。
一時停止したいときにもスマホを取り出さないと止められないので。
ファーム改良で、再生中は電源ボタンのクリックで一時停止できるようになると嬉しいかもしれない。


◆音質
使い始めてちょうど1ヶ月の頃にこんな感想を書いていた。

Mojo2のFPGAから出る音は、どのメーカーのDACとも傾向が異なって聴こえる。

オーディオ業界で時折目にする「原音再生」という表現は、たいていは「信号忠実再生」の意味で、入力した信号をいかにそのまま増幅したり振動板を震わせて音に変換したりするかを指している。
しかしCHORDはMojo2で文字どおり「本当はこういう音だったんだろ?」という意味の「原音再生」をやろうとしているように思える。
そのために、どういうロジックかはわからないがFPGAを使って音楽のデジタルデータをまるごと計算に掛け、徹底的なノイズシェービングを行っている。
結果、「音楽を構成するデータ」は崩さず、音楽に関係ないと(CHORDがそう判断した)不要なデータがクレンジングされた、圧倒的なS/N感と透明感を備えた音が出てくる。

ノイズシェービングの効果は、音質の良い音源よりもあまり音質が良くないと感じていた音源の方がわかりやすい。
音が変わったという不自然さは感じさせずにとにかく聴き取りやすくクリアな音になっていて驚く。

また全ての帯域でクレンジングすることで、音質劣化しないイコライザー「UHD DSP」や左右のチャンネルをミックスする「クロスフィード」といったウルトラCの機能も比較的容易に実現できるのだろう。


この印象は3ヶ月経った今も変わっていない。

Mojo2の音を聴いていると、
「色付けは絶対にしたくない」
「音楽成分以外のノイズを徹底的になくしたい」
という2つの意志が働いているようだと強く感じる。
Chordがそう考えているだろうことと、それが結果として実現できていることが、出てくる音から本当に感じ取れるのだ。

それを裏付けるような記事がこちら。
この記事は後から知ったものだが、まさに先述したような思想が技術に反映され、そして技術の成果が製品でわかるという稀有な例だと思う。

[AV Watch]
 ・小さな最強DACアンプ、さらに進化。CHORD「Mojo 2」を聴く(2022.03.17)
 ・Hugo/Mojo/DAVE、CHORDは何故汎用DACを使わないのか? キーマンがこだわりを解説(2016.03.07)


Mojo2がHugoシリーズやDAVEから受け継いでやっている、FPGAの計算力できわめて細かいフィルタを使って音を分解して徹底的にノイズシェービングするDA変換手法は、
「音源をリアルタイムにデジタルリマスタリングしながら再生している」
と喩えてもよいものではないかと思う。

これが、冒頭の『ChordはMojo2で「忠実再生」というより「本当はこういう音だったんだろ?」という意味の「原音再生」をやろうとしている』という印象に繋がっているのだ。
それを携帯型のアンプでやってしまうところが、なんだか破格のものすごさだと思う。
どのくらいすごいのか、比較する対象もないのでよくわからない。

◆ハードウェア
ちなみにMojo2ではハードウェアでの音質追求もこだわっているようで、理解が追い付かないが、デジタルDCサーボ回路によるDCカップリング、パルスアレイDACの改良、カップリングコンデンサの廃止などで歪みやノイズ低減を図っているらしい。
3.5mmアンバランスだけなのにノイズがなく高音質という結果が出ているので、先ほどの音源データのクレンジングとハードウェアのノイズ低減効果の両方がきちんと効果を上げているということなのだと思う。
あと個人的には、起動プロセスの最後と電源オフを押した直後に「カチッ」という音がするのがとてもいい。
これは公開資料にも見当たらないが、電源オンオフ時に出力段にポップノイズが入らないようにするためのリレースイッチの音で、据え置きオーディオなど高級機ではよく使われるものだが、Mojo2のような携帯オーディオではちょっと珍しい。
安心感があるし、高い部品だけれどリレースイッチを使おうという開発陣のポリシーが感じられるのもいい。


◆おわりに
これまでいくつかのDAPを試しては、結局AK120(バランス化改造済み)の音が好きだとなってAK120も使い続けるという状況だったのだが、Mojo2+PolyでようやくAK120が現役引退することができました。
自分の理想にほぼ近い音質のDAPに出会えた感じがします。


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