KSE1500の試聴 [オーディオ]
買えそうにないものだけど試聴はした。
ということで、ヘッドフォン祭に合わせて開催されたSHUREのイベント「シュアサタ」への参加応募に当選したので、10月22日に発表されたばかりの「KSE1500」を15分ほど試聴させていただくことができました。
かなりハイレベルな音質で、私の経験値ではきちんとした比較レビューができないので、いつものようにちょっと横道にそれたコメントを記録しておきます。
* * * * * * *
既にネットでも多くの感想が流れているが、総じて言えば音質が悪いという意見はないものの、普通とか期待ほどではなかったというがっかり系の声から絶賛の声までばらついているようだ。
(たぶん値段がものすごいからであって、10万を切る価格帯だったら皆ほめるだろうと思う)
私の感想はどうだったかというと、割と素直に感銘を受けた。
中域から高域の細部を意識すると、波形が太らずきれいに並んでいる感じで、コンデンサ型らしい音。
一方で低域は痩せることがなく、かといってパンチの誇張もなくて、高域~中域の延長線で同じように「普通に」鳴っていた。
で音楽全体を意識して聴くと、これがハイファイというかピュアな再生傾向になっている。
音場は「まるでスピーカーで聴いているような」ではなく、あくまでイヤホンらしい鳴り方。
しかし籠ったような感覚は特になく、ここは可もなく不可もなくというところか。
従来のSHURE製品よりも色付けはさらに減って、よりニュートラルな印象が強く残った。
SE535やSE846には色付けが残っているが、実はKSE1500のようなほぼニュートラルな音ができなかったからあのようなチューニングに仕上げたのかな、ということをふと思った。
開発担当のMatt Engstrom氏とSean Sullivan氏によるプレゼンでも「ソースのより忠実な再生」を強調していたし、これがシュアーが求めていた音のゴールなのかもしれない。
あまりにも癖のない「普通」の音がするので肩すかしを食うかもしれないが、これだけ精度よく不自然さもなく普通の音を出してくる製品はちょっと思い付かず、相当にハイレベルなところにいるのは間違いない。
(それほどたくさんの製品を聴いているわけではないので、知らない製品があったらすみません)
おそらくKSE1500は、ユニバーサルイヤホンの新たなリファレンス機として名を残すことになると思う。
今は多様なタイプの優秀な製品があふれているので、万人にお勧めの製品なんてありえないけれども、この機種はぜひ一度試聴しておくと良いと思います。