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ANIMA ANW01の感想(おすすめ) [オーディオ]

Acoustuneのサブブランド、ANIMAから7月に発売された初めてのTWS「ANW01」をお迎えした。
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1ヶ月ほど聴いて音も落ち着いてきたようなので、簡単なレビューと感想を書き残しておこうと思う。
この製品、パッケージデザインやTAKU INOUE氏によるサウンドチューニング、ガイド音声の着せ替えなどのブランディングがしっかりしていて話題になったが、そのへんは私は詳しくないのでここではワイヤレスイヤホンとしての音質や機能を中心に書きます。

まず最初に強調しておきたいことが2つ。

1.使い始めの音は実力じゃない

ANW01は使い始めからしばらくは音の変化が大きい。
バーンインを始めて50時間くらいからが本領発揮。
最初に聴いて「こんなもんか」とやや期待外れと思っても、しばらくはそのまま使い続けてみると、ある時期からどんどん音が良くなってくるはず。


2.aptXは避ける

Bluetoothのコーデックは SBC/AAC/aptX に対応しているが、aptXで接続すると音が歪んで濁るので避けた方がいい。
これはANW01の問題ではなく、aptXの圧縮方法に問題がある模様。
普通のワイヤレスイヤホンでは感じにくいような歪みをANW01が再生できてしまうため、高音質の音源を聴くときに不自然さに気付いてしまう。
ちなみに自分の手持ち機材で3つのコーデック全てを試せるので、同じ音源で比較試聴してみたところでは、
音質は AAC ≧ SBC > aptX の順だった。
(AAC:iPhone12 Pro[Bluetooth5.0]
 SBC:Windows10[Bluetooth4.0]
 aptX:SP1000M[Bluetooth4.1])
スマートフォンなどで、aptXの有効・無効が切り替えられる環境の人は、aptXをオフにした方が音が良くなると思うのでそちらをお勧めします。



【音質】
 以下、コーデックはAAC、イヤーチップは付属品、イコライザーは「MIDNIGHT」での感想。

ANW01の音質を一言でいえば「弱点の少ない、万人受けの高音質」。
低域は膨らまずに深く沈み込み、例えばDAFT PUNK『Doin' It Right』の30Hz前後の超低音でも切れ味良くきちんと再生する。
また低域が中域を圧迫することはなく、ボーカルやギターの主旋律は明瞭に聴こえる。
高域もクリアで、歯擦音や金属音が刺さるような目立ったピークも感じられない。
S/N比もまずまずの高さ。

モニターというほどフラットな特性ではない気がするが、チューニングが絶妙なのか、全体に優等生的なバランスの良いサウンドにまとまっている。
またトランジェント特性が良く、短いクリック音などが含まれる音楽はキレよく再生されるところも気持ちが良い。

イコライザーは巷の評判通り、「MIDNIGHT」が万能型で優れている。低域・中域・高域それぞれの気持ち良いポイントを聴かせてくれるバランスがよい。
「NIGHT」は楽器がよく使う低域と高域が僅かに押し出された、いわゆる弱ドンシャリサウンド。
「DAY」は低域と高域を丸く優しくしたという説明だが、レベル調整としては中域をやや上げたような印象(実質的に同じだが)。

いずれの設定も、極端に振っているわけではないため、日常的にどれを使っても不自然に感じることはないと思う。

また、曲間や再生していないときのホワイトノイズやポップノイズは皆無。他製品ではときどきこうしたノイズに出会うことがあるので、このあたりがきちんとしているところは安心感がある。


【機能】
・接続性
 Bluetoothの接続安定性は普通~やや良。相手プレーヤーとの相性もあると思うが、屋内では意外に遠くまで届き、音飛びはほとんどない。
屋外では、人が多いところや駅のホームなどでは普通に音飛びする場合あり。こればかりは2.4GHz帯が干渉しまくる現在の環境では仕方ない。(しかしそのせいでワイヤレスイヤホンは屋外ではどうしてもオーディオ機器というより便利グッズという扱いになってしまう)

・操作性
 タッチセンサではなく物理ボタンなので、うっかり触れて再生停止してしまうようなことが起きないのはありがたい。
やや押し感が強めなので、操作するときに耳に押し付ける感じになる。ここは気になる人は気になるかもしれない。私は誤操作で音楽が途切れるストレスの方がはるかに大きいので、あまり気にならない。
イヤホン本体ボタンで操作できるのは、クリック1~4回でそれぞれ「再生/停止」「曲送り」「曲戻し」「外音取り込みオン/オフ」のみ。
他に、本体側で「音量上げる/下げる」「イコライザー切替」の操作ができると便利だと思うので、ここはファームウェアの更新でいつか対応してくれると嬉しいと思う。

・充電ケース
 この製品の充電ケースの小ささは特筆ものだと思う。手の平で握るとすっぽり隠れてしまうほど小さく、携帯性は抜群。
おかげでバッテリー容量が控えめで本体と合わせてトータル15時間となっているが、充電もしやすいので困るということはない。
むしろデメリットは、イヤーピースの大きさに制約が出ることか。ネットの情報では、人気のAZLA SednaEarfit Crystal for TWS は Lサイズ MSサイズ まで入るとのことなので大丈夫そうだが、その他のイヤーピースを検討するときは気をつけようと思う。


【所感、Mu3との比較など】
 ANW01の評判はうなぎ上りのようだが、アニメ好き・サブカル好きをターゲットとした話題作りとは別に、オーディオ的にもきちんとした製品に仕上がっていると感じる。
普段はTZ700など有線の高音質イヤホンに慣れている自分でも違和感がなく、ワイヤレスの便利さを享受している。
KEF Mu3 に続き、無試聴でのTWS購入だったが、2つ続けての「当たり」でとても満足。

Mu3は高級機だけあってANW01よりさらに音にキレがあり、S/N比も高く、オーディオ的には一枚上手ではあるものの、ANW01の音質も決して見劣りするほど大きな差ではない。

機能的にはMu3はANCあり、ANW01はANC無しだが密閉性が高いのでノイキャンの必要性はそれほど感じない。むしろMu3にはイコライジングできるアプリがなかったりファームウェアアップデートができなかったりといった欠点もあり、使いやすさでいえばANW01の方が一枚上手だったりする。

音質だけならMu3だけれど、価格差や使い勝手のトータルバランスで考えると、ANW01はより幅広くおすすめできる良い製品と思います。

以上



KEF Mu3 のレビューはこちら


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2021.08.22 11:25更新:
 SednaEarfit Crystal for TWS は Lサイズまで大丈夫! との情報をいただき訂正しました。
 アユートの営業S様、ありがとうございました。


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