HiBy R3Pro レビュー お手頃便利な軽量DAP [オーディオ]
1月下旬にポチっとしたのに、新型コロナウィルスの影響で4月中旬まで待ちました。
HiBy R3Proのレビューはまだ多くないようなので、人柱的にいろいろ記録しておきます。
<R3Proまとめ>
【こんな用途に良さそう】
・ポータブルオーディオ入門機として
・メインシステムが重装備になりすぎた猛者のお手軽なサブ機として
【ここがGood!】
・小さくて軽いのに、かなり多機能で電池の保ちも良い
BluetoothはaptXやAAC対応。バランス端子(2.5mm)もあり。
USB-DAC、DLNA(プレーヤー)などの拡張性やスマホでの操作など多機能。
・音質も値段の割になかなか良い
CS43431のデュアルDAC、デュアルクロックなどハード面のこだわりと、
その気になれば細かく音質を調整できるソフト機能
・HiBy OSの直感的な操作性がわかりやすく、動作も安定
【ここは注意】
・邦楽をたくさん持っている人は注意
漢字の曲名やアーティスト名が中国語式のソート順になり非常に探しにくいです。
ファームウェアはV1.3ですが今後のアップデートでソート順の改善に期待したいところ。
・細かい設定をするには、メニューの日本語表示がわかりにくい
<詳細> ※ファームウェアはV1.3での評価です
◆本体
ACTIVO CT10よりさらに一回り小さく、AK100とほぼ同じ大きさ。あるいはmojoを薄くした感じです。
重さは95gで非常に軽いもののアルミ筐体なので剛性は確保されています。
表面に保護ガラスシート、裏面に保護フィルムが貼られており、さらにそれぞれ予備が1枚ずつ同梱されているのは、この価格帯の製品では驚き。
おまけ的なものですが本体プラスチックケースも付属しています。
付属のUSB Type-Cケーブルは布巻線で、コネクタも少しきつめでしっかりした印象です。
◆操作性
HiBy OSは直感的に操作できるインタフェースで扱いやすく、中華DAPにしては(失礼)動作が安定しています。
メニューの日本語訳は概ね通じますが、細かいシステム設定では「待機で電源をオフ」「スリープ時間」「待機する」と3つ似たメニューがあったり「記録ステップ」とかの項目はいまいちよくわかりません。
操作性はなかなか良い一方、非常に厄介なのが曲名やアーティスト名のソート順。
「拼音(ピンイン)」という中国式の発音記号がアルファベットと一緒にソートされるため、
アルファベットと漢字の混在 → 数字 → ひらがな → カタカナ
という順に並びます。
例えば、
George Benson
Grover Washington, Jr.
高野寛
古内東子
谷山浩子
鬼塚ちひろ
Harvey Mason
荒井由実
Ivan Lins
Jason Mraz
:
:
みたいな感じ。
日本語、というか漢字のアーティスト名や曲名をたくさん持っていると探すのが非常につらいです。
検索機能もありますが、半角英数しか入力できない。(スマホアプリの方は日本語検索も可能)
今のところこの部分がR3Proの最大の弱点でしょう。
ファームのアップデートで、アルファベットと漢字を分けてソートするオプションがぜひ欲しいと思います。
また、microSDカードの全曲を一覧表示させようとすると、6000~7000曲くらいのところで打ち止めになってしまいます。これもちょっと残念。
◆機能
[USB-DAC]
システム設定の「USBモード」で「オーディオ」を選びます。
32bit、384kHzまで対応。
ただ、USB-DACモードに入ると直前の再生状態を忘れてしまうようで、そこはちょっと残念。
[DLNA]
レンダラー(プレーヤー)機能のみ対応。サーバ機能やコントローラー機能は未対応。
メニューから「WiFi環境で音楽をインポート」を選択するとすぐに再生データ待ちになります。
スマホやPCでコントローラを起動して、レンダラーにR3Proを指定すれば再生できます。
DLNAモードも、一度入ると再生レジューム機能は働かず、抜けた後はまた曲を選び直しです。
[スマホからの操作]
「HiBy Link」をONにすると、スマホの専用アプリを使って操作できるようになります。
R3Pro本体と似た操作系で直感的に操作できますが、iPhone用のアプリはちょっと難あり。
WiFi接続とBluetooth接続が選べるが、Bluetooth接続のときはアルバムアートが表示されない。
WiFi接続では日によって頻繁にエラーメッセージが出たり突然落ちたり。
これはバージョンアップで改善してほしいところ。
◆音質
音質評価にはEAH-TZ700、純正ケーブルを2.5mmバランス接続で聴いています。
一聴して、素直な美音系の音作りと感じます。
S/N比は十分に高く、出音は滑らか。
CS43431のデュアルDAC、44.1系と48系のデュアルクロック搭載など、ハード面のこだわりが基本的な音質の良さを担保しています。
ただ低価格プレーヤーの宿命で「完璧な静寂感」とか「強烈なアタック感」等の再現は高級機には及ばず、全体的に万人受けのする無難な音質にまとめている感じがします。
しかしHiBy製品の特徴として、通常のイコライザーだけでなくソフト的に音質関連のパラメータを調整する「MSEB」という機能があります。COWONのPLENUEシリーズが搭載する「JetEffect」と似たもので、音場やサウンドエフェクトをかなりの振れ幅で調節できるので、ここである程度自分の好みの音に寄せることができます。
さらに「再生設定 → アンチエイリアスフィルタ」というメニューから、DACの機能と思われる、オーバーサンプリング時のデジタルフィルター4種類の中から選べます。
微妙な違いですが、これが案外、長時間聴いていると音質の印象に影響していることがわかります。
音質については、さすがに最高レベルとまではいきませんが、基本的な部品の良さ、多彩な調整機能のおかげでそこそこ満足いくレベルに持っていくことができます。
◆おわりに
長々と書いてきましたが、この音質、大きさ、機能でこの価格なら、ポータブルオーディオ初心者や、ベテランのサブ機として気軽に使うにはなかなか良い機種ではないかと思います。
あとは操作性のところで書いたように、漢字を含むソートについてはファームウェアのアップデートでぜひ対応してほしいところです。今後に期待したいと思います。
以上
HiBy R3Proのレビューはまだ多くないようなので、人柱的にいろいろ記録しておきます。
<R3Proまとめ>
【こんな用途に良さそう】
・ポータブルオーディオ入門機として
・メインシステムが重装備になりすぎた猛者のお手軽なサブ機として
【ここがGood!】
・小さくて軽いのに、かなり多機能で電池の保ちも良い
BluetoothはaptXやAAC対応。バランス端子(2.5mm)もあり。
USB-DAC、DLNA(プレーヤー)などの拡張性やスマホでの操作など多機能。
・音質も値段の割になかなか良い
CS43431のデュアルDAC、デュアルクロックなどハード面のこだわりと、
その気になれば細かく音質を調整できるソフト機能
・HiBy OSの直感的な操作性がわかりやすく、動作も安定
【ここは注意】
・邦楽をたくさん持っている人は注意
漢字の曲名やアーティスト名が中国語式のソート順になり非常に探しにくいです。
ファームウェアはV1.3ですが今後のアップデートでソート順の改善に期待したいところ。
・細かい設定をするには、メニューの日本語表示がわかりにくい
<詳細> ※ファームウェアはV1.3での評価です
◆本体
ACTIVO CT10よりさらに一回り小さく、AK100とほぼ同じ大きさ。あるいはmojoを薄くした感じです。
重さは95gで非常に軽いもののアルミ筐体なので剛性は確保されています。
表面に保護ガラスシート、裏面に保護フィルムが貼られており、さらにそれぞれ予備が1枚ずつ同梱されているのは、この価格帯の製品では驚き。
おまけ的なものですが本体プラスチックケースも付属しています。
付属のUSB Type-Cケーブルは布巻線で、コネクタも少しきつめでしっかりした印象です。
◆操作性
HiBy OSは直感的に操作できるインタフェースで扱いやすく、中華DAPにしては(失礼)動作が安定しています。
メニューの日本語訳は概ね通じますが、細かいシステム設定では「待機で電源をオフ」「スリープ時間」「待機する」と3つ似たメニューがあったり「記録ステップ」とかの項目はいまいちよくわかりません。
操作性はなかなか良い一方、非常に厄介なのが曲名やアーティスト名のソート順。
「拼音(ピンイン)」という中国式の発音記号がアルファベットと一緒にソートされるため、
アルファベットと漢字の混在 → 数字 → ひらがな → カタカナ
という順に並びます。
例えば、
George Benson
Grover Washington, Jr.
高野寛
古内東子
谷山浩子
鬼塚ちひろ
Harvey Mason
荒井由実
Ivan Lins
Jason Mraz
:
:
みたいな感じ。
日本語、というか漢字のアーティスト名や曲名をたくさん持っていると探すのが非常につらいです。
検索機能もありますが、半角英数しか入力できない。(スマホアプリの方は日本語検索も可能)
今のところこの部分がR3Proの最大の弱点でしょう。
ファームのアップデートで、アルファベットと漢字を分けてソートするオプションがぜひ欲しいと思います。
また、microSDカードの全曲を一覧表示させようとすると、6000~7000曲くらいのところで打ち止めになってしまいます。これもちょっと残念。
◆機能
[USB-DAC]
システム設定の「USBモード」で「オーディオ」を選びます。
32bit、384kHzまで対応。
ただ、USB-DACモードに入ると直前の再生状態を忘れてしまうようで、そこはちょっと残念。
[DLNA]
レンダラー(プレーヤー)機能のみ対応。サーバ機能やコントローラー機能は未対応。
メニューから「WiFi環境で音楽をインポート」を選択するとすぐに再生データ待ちになります。
スマホやPCでコントローラを起動して、レンダラーにR3Proを指定すれば再生できます。
DLNAモードも、一度入ると再生レジューム機能は働かず、抜けた後はまた曲を選び直しです。
[スマホからの操作]
「HiBy Link」をONにすると、スマホの専用アプリを使って操作できるようになります。
R3Pro本体と似た操作系で直感的に操作できますが、iPhone用のアプリはちょっと難あり。
WiFi接続とBluetooth接続が選べるが、Bluetooth接続のときはアルバムアートが表示されない。
WiFi接続では日によって頻繁にエラーメッセージが出たり突然落ちたり。
これはバージョンアップで改善してほしいところ。
◆音質
音質評価にはEAH-TZ700、純正ケーブルを2.5mmバランス接続で聴いています。
一聴して、素直な美音系の音作りと感じます。
S/N比は十分に高く、出音は滑らか。
CS43431のデュアルDAC、44.1系と48系のデュアルクロック搭載など、ハード面のこだわりが基本的な音質の良さを担保しています。
ただ低価格プレーヤーの宿命で「完璧な静寂感」とか「強烈なアタック感」等の再現は高級機には及ばず、全体的に万人受けのする無難な音質にまとめている感じがします。
しかしHiBy製品の特徴として、通常のイコライザーだけでなくソフト的に音質関連のパラメータを調整する「MSEB」という機能があります。COWONのPLENUEシリーズが搭載する「JetEffect」と似たもので、音場やサウンドエフェクトをかなりの振れ幅で調節できるので、ここである程度自分の好みの音に寄せることができます。
さらに「再生設定 → アンチエイリアスフィルタ」というメニューから、DACの機能と思われる、オーバーサンプリング時のデジタルフィルター4種類の中から選べます。
微妙な違いですが、これが案外、長時間聴いていると音質の印象に影響していることがわかります。
音質については、さすがに最高レベルとまではいきませんが、基本的な部品の良さ、多彩な調整機能のおかげでそこそこ満足いくレベルに持っていくことができます。
◆おわりに
長々と書いてきましたが、この音質、大きさ、機能でこの価格なら、ポータブルオーディオ初心者や、ベテランのサブ機として気軽に使うにはなかなか良い機種ではないかと思います。
あとは操作性のところで書いたように、漢字を含むソートについてはファームウェアのアップデートでぜひ対応してほしいところです。今後に期待したいと思います。
以上