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SE535、リケーブルで一歩前進 [オーディオ]

SE535のリケーブルに踏み切った。
以前から興味はあったのだが、ケーブルの試聴はなかなかできないので、ネットのレビューくらいしか頼みがない。
あちこち調べて、選んだのはこちら。

AUDIOTRAK Re:Cable SR1
SR-01(1).JPGSR-01(2).JPG
銀線で、作りが丁寧そうで、プラグがL型なのにしてみた。

高価なので、もし好みと違う音になってしまったら? そもそも音の違いがわからないほど差が小さかったら? など心配したが、結果的には、私程度の耳でもきちんと違いが分かる程度に、しかも好ましい方向に音質が改善したのでとりあえず良かった。

他の交換ケーブルは試したことがないので純正ケーブルとの比較しかできないが、以下、人柱的レビュー。

・パッケージから取り出した状態。説明書はなく、箱の印刷がすべて。
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・ノイトリックのライセンスを取得したプラグは重厚でしっかりしたもの。
SR-01(4).JPG

・MMCXコネクタはこんな感じ。青い方がL側。SE535のコネクタとはちゃんとパチンと接続しました。
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・本体と合体したところ。
SR-01(6).JPG
耳に掛かる部分は熱収縮チューブであらかじめカーブがつけられており、適度な柔らかさもあって使いやすい。
上の方に見えているのは分岐位置を調整するスライダだが、これは単なる透明チューブ。もしかして熱かけたら収縮する?
機能上特に問題はないけど、なんとなく、なんとなく残念。

・分岐部分。2本一組の銀線がきれいに四つ編みになっていて、分岐後は1本ずつの四つ編み。この編み方は断線に強そうだし、対称形なところがなんとなくノイズにも効きそう。
SR-01(7).JPG
ケーブルは被覆も含めてしなやかで、癖がつきにくく取り回ししやすい。ここは純正ケーブルより大きなアドバンテージといえる。


さて肝心の音だが、これを上手く表現するのは難しい。私の駄耳でも違いははっきりと分かるのだが、所詮はケーブルによる違い。「激変」と書くと、まだ試したことのない人に過大な期待をさせてしまいそうなので、ちょっと慎重に書いていこうと思う。

分析的に聴いたり、周波数特性を測ったりすると、おそらく純正ケーブルとSR1の差はさほど大きくないのではなかろうか。言葉で書けば「中域・高域が伸びる」「解像度が高まる」といったところだと思うが、そういう細部の違いを確かめようと意識を集中して純正ケーブルとSR1を聴き比べていると、だんだん違いが分からなくなってきて「SR1の方がちょっといいかな…あれひょっとしてプラセボ?」みたいな感じになってくる。

ところが、音楽全体を聴いての聴感上の違いとなると、これは明らかにSR1の方が好ましいのだ。

SR1に換えてリファレンスのGentle Thoughtsを最初に聴いて感じたのは「あ、天井が高くなった」ということだった。レビューでよく使われそうな言葉で言いかえれば「高域のヌケが良くなった」「音のベールが1枚はがれた」という感じだろうか。
これまでハイハットとかスネアの高音がどこか上に抜けきらず、押さえつけられて低空飛行をしているように感じていた。SE535でよく言われる「篭り感」というやつだ。
それがSR1では空が高く広くなった感じで、自然な聴き心地に変わった。そういう意味では、高域の伸びは間違いなくあるはず。もっと若い人が聴けば、はっきりと識別できるのかもしれない。

中域から高域全体がクリアで見通しがよくなったような印象もあるが、それも同じ理由によるものだと思う。
音域のバランスはあまり変わらず、より自然に聴こえるので、録音のいい音楽を聴くと眠くなるようになった(私、上質な生演奏を聴くとすぐ眠くなる体質です)

ともかく、このケーブルでSE535の数少ない弱みに感じていた「篭り感」が大幅に改善された。SE535LTDと同じ方向の改善だが、どちらがいいかはきちんと比較してみないとわからない。ただ、ノーマルSE535+SR1の場合、低域の変化はほとんど感じないので、ノーマルの方の低音が好きな私にとってはこの組み合わせで良かったと思う。
音場の狭さはあまり変わらないが、これはもうSE535の特徴ということであきらめるしかないと思う。ただ、篭り感が減ったおかげで、これまでほど気にならなくなった。

携帯性重視でいまだにポタアンや大きなDAPを導入せず、AK100もギャップレス再生が気になって踏み切れていないものの、今回のリケーブルで、SE535の使いこなしがまた一歩前進できたんじゃないかと思う。
上を見ればきりがないけれども、ポータブル再生環境についてはひとまず納得のいくゴールが見えてきたかな。

あとは、断線とか接触不良とか起こしませんように。


SE535リケーブル、その後(断線そして修理)
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