SE535導入 [オーディオ]
SHUREのイヤホン、SE535を導入した。
きっかけは、3年近く愛用していたSE310のプラグ付近が断線したらしく、コードを動かすと激しいガリ音がするようになってしまったこと。
ガリ音が入ると音楽どころではなくなってしまうので修理しようかとも考えたが、悪魔のささやきには勝てず、思い切ってあこがれの上位機種に買い換えることにしたのだ。
で、やっぱりこれは素晴らしい。というかすごいイヤホンだった。
導入してまだ100時間くらいの段階だけど、エージングで激変するタイプではなさそうなので自分の第一印象をメモしとこうと思う。
なお、SE535が「どんな音がするか」というレビューについては、ここの記事と完全に同じ意見で、しかも私が書くよりはるかに的確な表現だと思うのでこちらを紹介。
価格.comマガジン: 初心者にオススメしたい高級ヘッドホン入門 第1回
ここではSE310とSE535を比較して感じることを補足として書いておきます。
まず違うのは、低音の質感。
SE310の低音は「一応ちゃんと出てまっせ」くらいの響きが感じられるだけで、中低音に上乗せされたようにごっちゃになって聴こえるが、SE535は低音部に解像感があってしっかり自己主張している。質感は響きつつも締まりが強力で、バスドラムの場合「ズズーン」ではなく「ドドッ」と小気味よく止まる。小編成のジャズが好きなのでここは非常に重要。
次にこれは帯域バランスとも関係あるはずだが、音楽再生の「熱さ」。
SE535は、上のレビューにもあるように、高域から低域までとにかく音の出方がフラットでモニター的だ。ただし音楽を気持ちよく鳴らすという成分もちゃんと残ってはいる。
SE310は、低音域の伸びや細かい音を拾う力は劣る(といってもSE535と比較した場合で、一般的なヘッドホンとしては十分にある)が、その代わりにグルーブ感というか独特の「熱さ」がある。国産メーカーによくあるドンシャリ型ではなく、中域から高域に倍音成分を感じるカマボコ型の気持ちよさだ。
ここで評論家には絶対にできない(笑)、特性のイメージ図を。測ったわけではないので相当インチキです。あくまでもイメージということで。
どう見てもSE535が優れていることは間違いないのだが、かといってSE310(最新機種ではSE315、特性はほとんど同じと思います)があらゆる点で負けているのかというとそうでもなく、このSHURE独特の熱さというか、音楽を気持ちよく聴かせる味付けは、SE310の方がより色濃く出ていると思う。
個人的には、SE535の低音の締まりや解像度の高さを極めつつ、もう少しSE310のような味付けがあってもOKだった。
でもこの圧倒的な音質にはやはり説得力があり、SE310には埋められない実力差がしっかりと感じられるのも確か。
価格2倍で音質が1ランクアップというのが持論だが、今回は1.5ランクくらい上がった感じがするので、高い買い物ではあったが良かったと思う。
なお、使い勝手については2つほど注文を。
1.付属のケーブル1.6mは、よく言われるようにやはり長すぎて持て余し気味。60cm+延長60cmとか、付属1.2mで別売60cmとかだとありがたかった。
2.購入時に装着されているフォーム・イヤーチップを別のに交換するのが本当に大変。壊れるんじゃないかと思うほど強く引っ張らねばならないし、発泡体を初めて触る人は不安になるほど潰した上、気をつけないとシャフトとの溶着部が一部はがれてしまう。出荷時には比較的外しやすい、シリコーンゴムのチップを付けておく方が良いと思う。
確かにとても高い製品だが、音の好みが合えば音質的には間違いなく「ゴール」の1つにできる、究極のイヤホンだと実感した。
ケーブルも交換可能なので、今度こそ10年以上壊さずに使ってやれますように。
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2011.08.30 誤記訂正 スネアドラム→バスドラム
こんなミスしてたとは。恥ずかしい....
2010-12-30 19:58
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