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Pono、いいんじゃない? [オーディオ]

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PonoPlayerは発送の混乱もあったけど12月上旬にようやく届いた。
3週間ほど経って音も落ち着いてきたようなので、いつものようにレビューというより、自分用のメモ書き。

とはいえこの記事を参考にする方もいらっしゃるかもしれないので一応おことわりを。
試聴はいろいろするけど実際に持ってる機材は極端に少ないので、公平に比較できるDAPはAK120のみです。ご了承ください。
イヤホンとケーブルは進歩がないけどSE535+Re:Cable SR2 Twelve Coreを使用。バランスモードは試していません。

今回は最初に良くない点を書いてしまおう。
「音楽を聴く」ことに直接関わる要改善点は、
 ・ポップノイズ
 ・ボリュームのステップ数
ポップノイズは、バツンというほど大きな音でなく「プツッ」とか「ポッ」とかいう程度の耐えられるものだがやっぱり耳障り。レコードならともかく、デジタルオーディオでは無いにこしたことはない。
ボリュームは32段だが、出力インピーダンスが低いらしくSE535では8段目くらいで十分な音量が得られるため、あまり微調整ができない。音質を売りにするDAPなら2倍の64段くらいあるといいと思う。

そして音楽再生に直接関わらない部分にはこまごまと気になる点がある。(ファームはV1.0.4時点のもの)
 ・画面の解像度、視野角は旧世代のSTN液晶のもので不十分
 ・タッチパネルの認識精度がいまいち。フリックのつもりが選択になってしまう
 ・スリープ時の電力消費が大きい。といってシャットダウンすると再生情報を忘れてしまう
 ・その他、細かな操作の違和感やファイル管理周りの不安定さ、いろいろ

なるべくリーズナブルな価格で高音質なDAPを、というコンセプトではやむを得ないものもあるが、ファームで改善できそうな点が多いのは残念。英語が堪能ならユーザーフォーラムでいろいろ要望したいところだが…今後の改善に期待したい。
ちなみに基本的な操作体系はよく考えられているし、V1.0.4ではギャップレス再生にも対応するなど、良いところもちゃんとあるので書いておこう。


そして肝心の音質だが、これはこの価格帯(2014/12/31現在$399、3月にKickstarterで申し込んだときの先行価格は$300+送料$15)としては素晴らしいと言っていいと思う。

基本的には解像度が高く、あまり色づけはしないタイプだがやや中低域の押しが強く、またアタック音をしっかり再生するので聴感的にはロックやポップスがいちばん気持ちよく聴けるバランス。中低域は積極的に強調するというよりも、高域の上の方のレベルがなだらかに下がっている結果のような印象なので不自然さはない。
積極的な色付けは抑えつつ、モニターのような正確性よりも出音の楽しさを優先したようなアコースティックな響きで気持ちがよい。

でAK120と比べるとどうかというと、絶対的な実力はAK120の方が上。
解像度というか音の分離がより良く混濁が皆無で、音域もさらにフラットに近く、押し出しの強い帯域がない。よりハイファイな音と言えばいいのか。
音の混濁の有無ともう一つ、明らかに差があるのがS/N比で、AK120の方が音の背景がより深い。TVでいえば光の当たらない部分がより黒いという感じで、コンサートホールの臨場感の再現のような観点ではPonoPlayerよりもAK120の方に軍配が上がる。

しかし、価格差を考えれば音質に差があるのはある意味あたり前で、逆にPonoがこの価格でここまで気持ち良い音質を実現していることは素直に賞賛したい。
ちょっと信じられないペースでDAPの高価格化が進む中で、ほどほどの価格で高音質をめざした製品が増えてくるのは嬉しい。


Ponoは、価格対性能比で言えばお買い得だと思うので、ファームが安定してくれば(そして日本で入手できるようになれば)知人にお勧めできる製品になってくれそうな気がする。
音質はこれくらいでも良いので、できれば価格をなるべく抑えたまま液晶パネルのグレードアップや機能面でさらに充実した後継機が出てくることに期待したい。

また、なにげにPonoMusicのサイトがすごい勢いで充実してきていて、音楽配信サイトの主要な一角を占めるようになるのはもう時間の問題と思う。プレインストールされていたFLACの曲を見るとタグが非常に充実しており、曲ごとのレベル差を自動補正して聴けるような工夫もされている。PonoMusicで買った曲をPonoPlayerに転送して聴く、まさにPonoワールドをめざそうという意気込みが感じられる。

ニール・ヤングさん、自信満々に話していたけど、Ponoはだてではなかった。

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