SSブログ

JAL安全啓発センターの感想 [もろもろ]

失敗学・危険学を学ぶ者として、一度行っておきたいと思っていた「JAL 安全啓発センター」を見学してきた。
神妙な気持ちになるだろうとは思っていたが、予想以上に神妙な気持ちになった。
これから行く人のためにあまり詳しくは書かないが、JALのサイトでも紹介されているように、1985年の123便墜落事故の現物展示を中心に「事故に学び安全運航の重要性を再確認する場」として設立された研修施設だ。
JALグループ社員だけでなく、一般の人もWeb予約すれば見学できる。

見学時間は約80分で、うち60分ほどが着席で説明員の方から解説を聞き、ビデオ資料を見てから現品の説明を受けるというスタイル。最後の20分ほどは自由見学という進行だった。

説明の内容はとてもよく構成されていて、事故の概要、発生原因、その結果の重大さ、再発防止活動について短い時間でしっかりと伝わるようになっている。

私は事故当時の報道をリアルタイムで日々見ていた世代なので、TVの映像で見ていた事故機や遺品の現物が持つ存在感に終始圧倒されていた。
乗客の書いた遺書に混じって、客室乗務員が不時着した場合に備えて、乗客に何を伝えるかを激しく揺れる機内でびっしり書き留めたメモがあった。
極限状況の中でも乗客のことだけを考えるプロ意識に頭が下がった。泣きそうな気持ちになった。

見学を通じて強く印象に残ったのは、ただ単に展示室を公開して事故の悲惨さだけを伝えるのではなく、説明員による話を通じて見学者の心に様々な思いや考えを呼び起こすことを重視しているということだった。

見学者25人に対する1時間の説明を、1日2回、毎日毎日無償で実施する。
その決意と、それを実行するための体制づくりをしているJALの、なみなみならぬ覚悟を感じさせられた。

場所は羽田空港に隣接したところなので、見学後はこんな感じで間近に飛行機を見ることもできます。
20150521.jpg

危険学・失敗学の考え方に共感する人や、航空安全に興味のある方にはおすすめの施設と思います。

JAL 安全啓発センター: http://www.jal.com/ja/flight/safety/center/


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。